大切なこと-(1)

■正しい診断をするには?


正しく診断するためには、その目的に応じた資料が必要になります。下記に当院にて採らせて頂いている資料を紹介いたします。


●レントゲン写真1(パノラマ)
このレントゲンから歯の数つまり、もともとない歯(先天性欠如)や余分な歯(過剰歯)がないかを診断します。このような歯があると正しい位置に歯が出てこられない原因になります。この写真では丸のところに永久歯がありません。また子供の場合は歯の萌出状況もチェックします。
《治療例でもっとくわしく》


●レントゲン写真2(側貌セファロ)
このレントゲンから顎の位置関係を診断します。たとえばこの写真のように前歯が反対に噛んでいる人であれば、その原因が頭の位置に対して下あごが前に位置していることによるものか、上あごが後ろに位置しているからなのか、上下の顎の位置には問題がなくて上下の歯の傾きが悪いことによるものかを診断するのです。
《治療例でもっとくわしく》


●レントゲン写真3(正貌セファロ)
このレントゲンから顎の左右の対称性を診断します。たとえば上下の歯の正中がずれている原因は4つあります。
1.歯の位置的な問題でずれている場合
2.下あごや上あごの骨が変形している場合
3.下あごが噛んでくる動作の中で、歯が不正な位置にあることによってずれている場合
4. 左右の顎の関節レベルでずれている(片側の関節の吸収や変形)場合です。正貌の写真からは2の骨格的な変形が存在するかを診断します。この患者さんは下あごが変形しているのがわかります。
《治療例でもっとくわしく》


●レントゲン写真4(SMV)
このレントゲンは左右の顎の関節の形や位置をみる(レントゲン5)を撮るための準備のための写真です。左右の関節の傾きを計測します。この傾きは人によっても違いますし、写真のように左右で違う人もいます。


●レントゲン写真5(オルソトモ)
 
右の間接   左の間接
このレントゲンはあごの関節の形や位置を診断します。(3の正貌セファロの患者さんの関節です)左右の形を比較することでレントゲン3で述べた非対称の原因が関節レベルで存在するかを診断します。この患者さんは右の関節が左に比べ吸収しており非対称の原因が関節レベルでも存在していることが診断できます。


●レントゲン写真6(ハンドリスト)
このレントゲンは骨年齢(骨の成熟度)を診断します。10才から15才の子供の場合は必ず撮るようにしています。女の子で12才、男の子で14才に思春期成長のスパートが来るといわれております。同じ歳でも大きい子や小さい子がいるように、子供の成長は個人差があります。そのため骨の成熟度を見ることにより成長のスパート時期をみるのです。実際の年齢よりも骨年齢が若い子もいれば進んでいる子もいます。成長が残されていて成長によって骨格が悪くなるようであれば、(たとえば反対咬合で下あごが前に成長してくる場合)治療は成長が終わるまで待たなければなりません。


●歯の模型
上下の歯列の型を採ることによって歯の模型を作ります。この模型を咬合器に付着することによって、患者さんの顎の動きを忠実に再現することができます。この咬合器に付着された模型を使うことによって歯の位置や顎の大きさ、顎の関節の動きなどを診断します。

〈口腔内診査〉
上唇小帯(うわくちびるの真ん中のひだ)や舌小帯(舌の真ん中のひだ)、舌の大きさなどの異常がないか、また嚥下の仕方に問題がないか等を診査します。《もっとくわしく》

〈問診〉
過去の病歴や既往歴、また悪習癖(頬杖、指しゃぶり、咬唇癖、咬爪癖)等がないかを診査します。

以上の資料や診査したことから、歯並びが悪いことの原因がどこにあるのかを診断していきます。装置をつければ歯は動きますが、原因が排除できていなければ歯は必ず元の位置に戻って(後戻り)しまいます。これらの資料は矯正治療の方針を決定する上で最低限必要なものと考えております。
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